海風感じる西大分の秋を彩る伝統の祭り「浜の市」と、名物「志きし餅」

2026/07/12

# 大分市

心地よい海風を感じられる「かんたん港園」など、大分市のベイエリアとして人気の西大分界隈。最近ではオシャレなカフェやスイーツ店なども増え若い世代からも注目を浴びていますが、この地域には、歴史深い伝統の祭り「浜の市」があります。

 

今回は、西大分の秋の風物詩であるお祭り「浜の市」と、その祭りに欠かせない名物和菓子「かとう志きし餅」の魅力をご紹介します。

 

 

歴史のある祭り、「浜の市」とは

 

 

西大分の秋を語るうえで外せないのが、毎年9月に開催される「浜の市(はまのいち)」です。 このお祭りは、大分市を代表する古社のひとつ、「柞原(ゆすはら)八幡宮」の仲秋祭の別名で、とても歴史のある神事のひとつです。

祭り期間中は、柞原八幡宮の本宮から3基の神輿が下り、西大分港近くにある「柞原神社仮宮(御旅所)」へとやってきます。
もともとは、生き物に感謝を捧げて海や川に解き放つ「放生会(ほうじょうえ)」という厳かな神事だったのだそうです。

 

 

「一文人形」と呼ばれるもの。この人形も浜の市の名物のひとつです。

この神事に大きな転機が訪れたのが江戸時代のこと。 寛永11年(1634年)に府内藩主となった日根野吉明が、放生会に集まる膨大な人出に着目し、古くから行われていた「市(いち)」の再興を奨励したのだそうです。

藩の手厚い保護のもと、期間中は「城下での商売を休み、すべて浜の市で販売すること」というお触れが出されるほど力を入れた結果、他国からも多くの商人が集まる行事へと成長。最盛期には伊勢や播磨の市と並び、「西日本三大市」のひとつに数えられるほどの熱気で栄えたという、歴史的な背景をもっています。

 

 

西大分の歴史の風情を今に伝え、にぎわう境内

 

 

現代の「浜の市」も毎年地域内外から多くの人が訪れ、活気にあふれています。 明治時代には「廃藩置県」によって一時は規模が縮小したものの、地元の商工会や地域の人々らが「歴史ある伝統を復活させよう」と、祭りはしっかりと守り継がれています。

 

 

仮宮の周辺にはたくさんの多くの露天が立ち並び、多くの参拝客や地域の人々で賑わいます。 太鼓や笛の音が響き渡るなか、迫力満点の奉納神楽や華やかな花火大会などが執り行われるほか、屋台も立ち並びその境内の雰囲気は、どこか懐かしく心も和みます。

 

 

藩主の座布団がモチーフ⁉ 西大分名物「かとう志きし餅」

 

 

浜の市の歴史から生まれた、西大分を代表するお土産があります。それが、仮宮からもほど近い場所にある「かとう志きし餅」です。その歴史も古く明治初期から販売されている銘菓なんですね。

 

 

こちらの志きし餅の特徴のひとつが、ユニークな見た目。四角い座布団のようなカタチで知られていますが、これは江戸時代に当時の藩主が市(いち)を巡視するときに用いていた座布団の模様をモチーフにつくられています。

浜の市開催中は、この名物の和菓子をお目当てに買い求めに訪れる人も多いほど人気の味。こしあんが入った白と、粒あんが入ったヨモギがあり、柔らかな餅と、ほどよい甘さのあんこが懐かしさを感じ世代を超えて愛され続けています。

いかがでしたか。800年以上の伝統をもつ「浜の市」と老舗の銘菓「かとう志きし餅」。 今年の秋は、ぜひ浜の市へ出かけてみてくださいね。

 

 

■柞原八幡宮仮宮

大分市浜の市4

 

■かとう志きし餅 本舗

大分市生石港町1丁目2-16

 

参考ページ

・浜の市祭実行委員会(西大分商店街内)ホームページ

・大分市デジタルアーカイブ おおいたの記憶 「大分市史」(大分市民図書館)

 

 


 

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