中津の医学に貢献した医家を知る「大江医家史料館」と「村上医家史料館」

2024/04/14

# 中津市

戦国時代、中津にゆかりのある武将「黒田官兵衛」により礎が築かれ、長い歴史とともに整備や拡張されてきた中津の街並みは、歴史情緒たっぷり。県内外から、この風情を楽しもうと多くの人々が訪れる、大分で人気の城下町のひとつです。

 

また中津は福澤諭吉や前野良沢など偉大な人物を輩出した地としても知られています。

今回は中津の医学や蘭学などに貢献した、2つの史料館を訪れてみました。

 

 

「解体新書」も展示。代々中津の藩医を務めた医家の資料の数々が残る「大江医家史料館」

 

中津_大江医家02

 

「大江医家史料館」は、中津藩主の御典医であった大江家の旧宅を史料館として公開している場所です。大江家の初代は大江玄仙で、以来代々医者を務めた家系として知られています。

「医は仁ならざるの術、務めて仁をなさんと欲す」という初代・玄仙の言葉は、代々藩医として務めた大江家で受け継がれてきた名言です。

 

中津_大江医家03

 

歴史の趣ある史料館には、西洋医学の翻訳書である「解体新書」や「重訂解体新書」をはじめ、「和蘭全躯内外分合図(オランダぜんかくないがいぶんごうず)」、世界で初めて全身麻酔による乳がんの摘出手術を成功させた外科医「華岡青洲(はなおかせいしゅう)」の医学資料、中津藩の医師「辛島正庵」の資料など、医学を中心に蘭学関連の資料が多数展示されています。

 

中津_村上医家07

 

また、史料館の隣接する庭園は、5代目の医師・大江雲沢が薬草園を造り育て、実際にその薬草を用いて治療も行っていたといいます。現在もこちらには珍しい薬草や花々が植えられており、見学できます。

 

 

数千点にも及ぶ医学の資料が残された「村上医家資料館」

 

中津_村上医家04

 

次に訪れたのは、大江医家史料館から車で約5分ほどの城下町・諸町にある「村上医家史料館」です。こちらは、1640年(寛永17年)に諸町で開院して以来、現在はすぐ近くにある「村上記念病院」として受け継がれている、中津でも長い歴史をもつ医家で、数千点といわれる医学に関する資料などが残されているのだとか。

 

中津_村上医家05

 

平成8年に開館し、築200年近くとも言われるお屋敷を利用した造りになっている資料館内には、診察室や書生部屋などがあり、当時の状態のまま見学することができます。

 

中津_村上医家06

 

また、村上医家の史料も多数並び、7代目の村上玄水が行った人体解剖にまつわる医学の流れを紐解く資料なども展示。医師の医学に対するひたむきな取り組みを感じることができます。

 

今回訪れた、2つの史料館はいずれも「中津市歴史博物館」の分館として運営されており、中津の医学や蘭学、そして文化をじっくりと学ぶことができる貴重な場となっています。

現在の医学の発展にも大きな功績を残した中津の2つの医家の史料館。ぜひ中津の散策途中に訪れてみてはいかがでしょうか?

 

 

■大江医家史料館

中津市906番地(鷹匠町)

■村上医家史料館

中津市1780番地(諸町)

 

 

 


 

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