温泉の神を祀る「火売神社」と、明礬の穴場の日帰り湯

大分県・別府市の九州横断道路沿い一帯は、市内でも有数の温泉・観光スポット。今回は、この地域を長きにわたり見守ってきた由緒ある神社と、穴場の立ち寄り湯を見つけたのでご紹介します。
温泉の守り神とも称される「火男火売神社」
別府市・火売(ほのめ)地区にある「火男火売神社(ほのおほのめじんじゃ)」。地元の人々からは「火売神社(ほのめじんじゃ)」と呼ばれ親しまれるこの神社は、鶴見岳の男嶽、女嶽の二峰を神格化した「火男神」と「火売神」と呼ばれる2つの神を祀る神社です。
社伝によると771年に創建されたとのことで、1200年以上もの歴史を刻む神社は、嘉祥2年(849年)には、朝廷から火男神・火売神それぞれに、貴族の位階である「従五位下(じゅごいげ)」が授けられたという記録も残されています。また、鎌倉時代の1276年には、鉄輪温泉にある「一遍湯かけ上人」の銅像で有名な、「一遍上人(いっぺんしょうにん)」がこの地に立ち寄り、鶴見権現の導きによって鉄輪温泉の「石風呂(蒸し湯)」を作ったとされており、別府八湯の守り神として、多くの人々の信仰を集めてきました。
静寂溢れる緑の木々に囲まれた参道を歩いていくと、重厚感と存在感あふれる拝殿が。参拝すると自然と厳かな気分になります。
また敷地内には、立派な木が。ゆっくり見上げると自然がもつパワーを全身に感じ、清々しい気持ちになりました。この樹木は「鶴見権現社のイチイガシ林」と呼ばれるもので、県指定天然記念物にもなっています。
肌湯治や美肌にもよいとされる「湯元屋旅館」の温泉へ
神々しい気分を味わった後は、神社から車で数分の場所にある「明礬(みょうばん)温泉」エリアへ。湯けむりが立ち込め硫黄の香りが漂うこの地域は、別府市内でも人気の高い温泉地です 。
数々の旅館や温泉施設があるなかで今回、立ち寄り湯スポットとして訪れたのは「湯元屋旅館」です。小ぢんまりとした佇まいながら、創業100年以上の歴史を持つ老舗旅館で、別府の秘湯として知られています。温泉は、旅館の階段を昇った2階にあります。昔ながらの和の風情を感じる旅館内は、まるで故郷に帰ってきたかのような懐かしさを感じます。
お目当ての温泉は、創業した明治15年から変わらぬ「硫黄塩泉」。少し濁りのある湯は、アトピー性皮膚炎などをはじめ美肌にもよいとされているそう。湯加減はちょうどよく、濃厚な肌ざわりに、温泉のパワーを実感。またこちらの温泉は硫黄塩泉だけでなく、「硫黄泉」の源泉もあるとか。2つの源泉は、どちらも加水をせず自然冷却し湯船へと届けられているため、濃厚な源泉かけ流しの湯を満喫できます。
湯上り後は、肌へ温泉成分がしっかり浸透しているからか、とにかくしっとりなめらか!泉質の良さは口コミでも評判で、肌湯治で訪れる方も多いのだそうですよ。
入浴可能時間は、宿泊者の利用などにより異なることもあるようなので、事前連絡してから立ち寄ることをおすすめします。
別府の歴史と自然の恵みを同時に感じられる、「火売神社」と「湯元屋旅館」で短時間でもプチ旅気分を満喫できました。ぜひ、別府を訪れた際は心と体をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
■火男火売神社
別府市火売8-1
■湯元屋旅館
別府市明礬3組
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